Inspiration

2022.07.08

よいも悪いも受け入れ、しなやかに生きる支えになりたい。athletia ブランドストーリー

2020年2月にブランドをスタートしたathletia(以下、アスレティア)。「Strengthen Yourself」というコンセプトを掲げる理由には、人生100年時代をどう幸せに生きるのか?という問いがありました。スイス・チューリッヒでの経験からアスレティアを作った株式会社エキップ代表取締役の前澤洋介、自分自身の想いとシンクロさせブランドの立ち上げに携わった倉持麻未にアスレティア立ち上げまでの想いやめざす未来についてインタビューを行いました。

スイス人のストレスフリーな生き方を知ったことがきっかけ

─ まずはアスレティア立ち上げのきっかけからお伺いできますか?

前澤洋介(以下、前澤):きっかけはスイスにあります。2013年から2016年末まで、私はカネボウ化粧品のヨーロッパ責任者としてスイスのチューリッヒに滞在していました。チューリッヒは街の中心部に大きな湖を抱えていて、日本でいうと、銀座通りの真ん中に湖があるようなイメージです。現地の人達は夏になると会社帰りに寄って、よく泳いでいました。もちろん私もです。

それにチューリッヒでは、ヨガも大人気。オフィスが入っていた建物の1階にもヨガスタジオがあり、普段から社員が昼休みや会社帰りに利用していました。日本にいると常に忙しく過ごしてしまうのですが、スイス滞在中はストレスとうまく向きあい、非常にオンとオフのバランスが取れていたように思います。

スイス・チューリッヒの湖(前澤撮影)

前澤:ストレスフリーな生き方はスイス人の国民性では?と思われる方がいるかもしれませんが、実はスイス人はヨーロッパの中でも日本人とキャラクターがよく似ています。時間にも正確でとてもまじめ。仕事を一生懸命やる分、ものすごくストレスを抱えていることもわかりました。まさにその部分も日本人と同じですよね。しかし一方で、仕事が終わると切り替えて湖で泳いだりヨガに行ったりして、ちゃんとリセットができている。その生き方をうらやましく思いました。

では日本人が日本の中で、同様の生活ができるかというと、現状はなかなか難しいと感じています。これから人生100年時代といわれるなかで、100年間ストレスを抱えたままで過ごして行くのはあまりにもつらい。そう考えた時に、スイスでの日々や人々のことを思い出しました。みなさんがオンとオフのバランスを取りたくなった時に、その思いに寄り添えるブランドがあったら素敵なのではないかと思ったのがはじまりです。

─ なぜ日本人はオンとオフのバランスの取り方が苦手だと思いますか?

前澤:スイス人の時間やお金の使い方と比べると、日本人は結局忙しい中でしか幸福を感じられない性格なのかなと感じています。つらくても耐え忍んでしまうような人が多い。私自身、日本に帰ってきた途端に、意識をしなければオンオフの切り替えがうまくできないという状態に戻ってしまったので。だからこそ今はブランドを通して、心がすり減らなくてすむようなリセット方法や切り替え方を提案していきたいと考えています。

よいことも悪いことも受け入れ、しなやかに生きる

─ 確かにうまくリセットができればもっと心豊かに生活できそうな気がします。では「Strengthen Yourself」というブランドコンセプトはどのように生まれたのでしょうか。

倉持麻未(以下、倉持):このコンセプトの前提となっているのが「しなやか」という言葉。風に大きくゆられながらも、結局はもとに戻り、まっすぐ天に向かってのびていく。たおやかな竹のような印象で私は捉えています。人間も精神状態や肌、体調の状態は日々変わっていきます。絶対にダメージを受けたくないと思っても受ける時は受けるし、気分が沈む時は沈むし、荒れる時はどうしても荒れる。そういう状態の時に、自分自身の力とは別に、なにか頼れるものがあると嬉しいですよね。何度ゆらいでもまたもとに戻る、そんなブレない芯の強さを持った人間になれたら、どんなに素晴らしいか。その意志に寄り添うブランドの象徴として「Strengthen Yourself」(美しさは鍛えられる)を掲げています。

前澤:スイスで働いていた時、人事部長がまさにその理想の姿を体現してくれていました。春頃に彼女のパートナーが失業をして仕事を探しているという話を聞いていて心配していたのですが、夏になってから「パートナーがバカンスを取るから、私も一緒に2週間海外旅行に行ってくる」といってきて。パートナーの仕事は見つかったのかを改めて聞くと、まだ失業中だけどバカンスはバカンスとして楽しまないといけないというんです。そして二人でバカンスに行っていたのですが、その発想に驚きました。「人生、よいことも悪いこともどっちもある」ということがわかっていて、とても「しなやか」な生き方をしていると感じました。

─ よいことも悪いことも受け入れながら、しなやかに生きる。このコンセプトもそうですが、そもそもアスレティアというブランド名からも一種の強さを感じ取りました。語感からアクティブで能動的なイメージが湧いてきます。

前澤:オンとオフ、動と静と語る時の「動」の部分については、激しい運動をするということではなく、「能動的」になにかを取り組むという意味での「動」であってもよいと思っています。そういう芯の強い方は魅力的ですよね。

倉持:実は私がアスレティアを担当したいと思ったひとつのきっかけが、このブランドが人々のアクティブな生活にも寄り添うという所に着目している点に共感し、興味を持ったからなんです。たとえば日本でいうオーガニックコスメ・ナチュラルコスメは「落ち着いた素朴なナチュラル感」というコンセプトのものがほとんどですよね。それはそれで素敵で、私自身好きなのですが、一方で自分の性分と一致しない部分も。遊びたい時は遊びたいし、夜ふかししたい時はしたい。ただナチュラルで素朴な落ち着いた生活をしましょうというだけでは満足できないんですよね。そこで、エネルギーにあふれたアクティブな生き方にも寄り添う、オンとオフの両方を提案してくれていたところに好感が持てました。

性別や年齢に縛られずに生きるすべての人たちに届けたい

─ アスレティアを通じて、どのような人をサポート、ケアしたいと考えていますか?

前澤:オンとオフのバランスを取りたいすべての人たちに届けたいです。つまり、老若男女、年齢も性別も関係なく、今を一生懸命に生きている人たちをサポートしていきたいと考えています。

倉持:年齢も性別も関係ないという話がありましたが、社風としてもジェンダーギャップをあまり感じません。美容業界だからというところもありますが、入社当時から性別にとらわれない会社だと思っていました。だからこそ、ターゲットを絞らないという発想は社員にとっては当たり前の感覚なんです。

─ ジェンダーレス・エイジレスなブランドであるという部分は、アスレティアで働く人たちからすると当然なんですね。

前澤:もともとアスレティアは“THEコスメティックブランド”というわけではなく、暮らしに寄り添うライフスタイルブランドだと考えていたので、最初から性別でターゲットを分ける考え方はありませんでした。現在のお客様の男女比率でいうと、男性が3割弱。これに関してはもう少し比率が均等になってきてくるとよいですね。実際に私もアスレティアのオイルやローションが大好きで毎日使っています。香りも気に入っていて、自分が使いたいと思えるものを作ってもらっているところもあるんです。

─ 香りはアスレティアの特徴のひとつですよね。

前澤:もともと私は香りが好きで、スイスに住んでいた時からディフューザーを部屋に置いていましたし、帰国後も百貨店のアロマ売り場によく行っていました。ある時、その売り場で私と同じぐらいの年齢の男性が買いにきているのを見かけ、香りは年齢や性別を問わずみんなが好きなものなのだと改めて思い知りました。いろんな人が手に取れるブランドの入り口としても、アロマは大事な商品です。それに香りはただよい匂いを楽しむものというだけでなく、自分の生活と記憶を結びつけるキーアイテムになり得るものですよね。だからこそ、余計にこだわりたいと思っています。

─ 香りはもちろん、パッケージデザインなどからもジェンダーニュートラルの意識を感じます。

倉持:当然、性別によって肌質やホルモンバランスの違いがあることも理解しています。ただそことは関係なく、価値観に共感してもらえるみなさんに使っていただける商品を届けたいと思っています。デザインについても、万人に手に取っていただけることはもちろん、持つことで高揚感を得られるようなリッチな外観などを意識して開発しています。性別や年齢に関係なく、シェアコスメとして使用していただけると嬉しいですね。

人や環境のためになにかできるブランドでありたい

─ 「自分を大切にするように、自然も大切にする」という考え方からクリーンビューティにも取り組まれていますよね。なにか理由はあるのでしょうか。

前澤:自分が人生100年をどうストレスと付きあいながら楽しく過ごしていけるかを考えた時に、自然環境がよくないと楽しめないと思いました。だからこそ、地球に優しくあるべきという考え方は当然セットになってくる。我々の後の世代が生きていく環境を悪い状態にはしたくないという思いが根っこにあるので、できることは当たり前のようにやっていきたいです。

倉持:私は前職でナチュラル系のオーガニックコスメブランドの商品開発をしていました。オーガニックコスメというと、なんとなく肌にやさしいイメージがありますよね。でもそもそもオーガニックの基準は、人間のためではなく環境のための認証ルールが大前提。別に人のために無農薬にしているわけではなく、環境のために無農薬にしている。この、「環境のため」という考え方が根本なんです。だからこそ私にとっても環境への意識は自然と身についていたことでもあるんです。

もちろん、人のための安全性も考えて商品づくりをしなければならず、それを踏まえてどう落とし込んでいくかを考えるのが私達の仕事です。現在では農薬や化学肥料を使わない独自の循環型農園で栽培した植物を使用したり、FSC認証紙を使用したりと、できることを積極的に行っています。自分の仕事が自然と環境にもよいことにつながっているのだとしたら、それはとても嬉しいことです。お客さまにも、アスレティアのアイテムを使用していることが結果として「クリーンビューティ」につながっていると実感してもらえたらよいですね。

前澤:我々としてはオネスト(正直さ)という部分を含めて「クリーンビューティ」だと考えています。そこで、グループ内ではいち早くトランスペアレンシー(透明性)を掲げ、ウェブ上に成分情報などを包み隠さず公表しました。隠さずに見せていくことで、企業とお客さまの双方向的な関係性も生まれると思っています。

─ アスレティアは商品を通して、ライフスタイルの哲学を伝えてくれているように感じます。最後に今後の展開をお聞きしたいです。

前澤:「動」の部分の話は出ましたが、「静」の部分にも力を入れています。特に睡眠にこだわりを持って商品開発をしているので、今後もよい眠りを届けるための商品を広げていきたいです。

ブランドとしてはまだまだ世の中に影響を与えるほどの力はないですが、今後も人のため環境のためのブランドでありたいと思っています。そのために、共感してくれる他のブランドと一緒にコラボレーションや連携ができないかと模索しています。そうすれば、より多くの人をサポートしていけますから。

倉持:カウンセリングの一歩目のブランドとして認識されるとよいですね。たとえば最近不眠が続いていると思ったら、とりあえずアスレティアに行ってみようと思っていただけるような。悩みがある時に、解決の糸口を提案できるブランドをめざして行きたいです。

Text/Daisuke Watanuki
Photo/Edo Oliver
Edit/Yuri Abo(REING)

プロフィール

前澤 洋介(まえざわ ようすけ)

株式会社エキップ代表取締役。
1986年株式会社カネボウ化粧品に入社。プレステージ化粧品ブランドなどを担当し、スイス/チューリッヒの駐在を経て、2017年帰国。
2020年2月ライフスタイルスキンケアブランドのアスレティアを立ち上げ、現在は、株式会社エキップと株式会社花王に籍をおく。

倉持麻未(くらもち あさみ)

アスレティアマーケティング部 商品開発担当
AMPP認定マスターフィトテラピスト。
アスレティアでは、ブランドデビュー前から携わり、数々の商品を開発している。

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