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2022.11.08

自分らしい「心地よさ」を見つける。ホテル・丸福樓が目指す自由で豊かな時間

今春に京都に開業した丸福樓(まるふくろう)。任天堂の旧本社社屋として世界中のファンに愛されてきた聖地はホテルへ生まれ変わり、自分らしい過ごし方を見つける豊かさを教えてくれます。そんな一人ひとりの「心地よさ」に寄り添う丸福樓ではアメニティにアスレティアを採用していただいています。
今回、丸福樓の目指すおもてなしについて、ホテルの立ち上げから携わられたPlan・Do・Seeの松尾さんにお話を伺いました。

自分らしい過ごし方を見つけてもらう時間

─任天堂の旧本社屋がホテルになったということで話題の丸福樓ですが、改めてどのようなホテルなのか教えてください。

任天堂は丸福樓のあるこの場所で花札を作る会社として創業し、カルタやトランプを日本中に広めた会社なんです。丸福樓の名前は花札の製造・販売をしていた子会社「株式会社丸福」からとりました。既存棟はとても良く保存されていたのでなるべく当時の姿を保ち、至るところに任天堂のストーリーを散りばめました。一方、建築家の安藤忠雄先生が新たに設計・監修を手がけた新築棟は自然光がたっぷり入るシンプルな造りで、安藤先生のイズムが感じられる空間になっています。
滞在面ではオールインクルーシブをおすすめしています。朝食や夕食はもちろん、スナックや軽食、お飲み物などすべてのサービスをいつでも自由に楽しんでいただき、一人ひとりがゆっくりホテルで過ごせる環境を用意しています。

─宿泊者の方一人ひとりの自由を大切にするコンセプトはどのように決められたのでしょうか?

ここが任天堂創業の地だったことはインターネットを通じて世界的に有名になっていて、建物のほかに何もないのにファンの方から「聖地」として長年愛されてきた場所だったんです。どんなホテルを作りたいかを考えた時に、ホテルの中で長時間過ごすことによって「ここで任天堂が生まれたんだ」と思いを馳せられるような形がよいのではないか、というところからコンセプトに入っていきました。

─丸福樓の中で宿泊者の方に過ごしてもらいたい時間とはどのようなものでしょうか?

「好きな時に、好きなように、好きなだけ。」という丸福樓のコンセプトが私たちの届けたい過ごし方そのものです。
お部屋の中でゆっくりするのもひとつですが、ゲストラウンジで軽食のオムライスを食べてる親子や真剣に本を読んでいる方など、丸福樓の中で過ごすうちに「こういう時間もあるんだ」と自分の過ごし方を見つけて楽しんでいただいていることが見てとれる時にすごくうれしくなります。

お客さまの心地よさを想像しながら作りあげる空間

アンティークのソファで自由にくつろげるゲストラウンジ

─ついつい長く過ごしてしまうのはホテル自体の魅力にもあると思います。こだわったポイントを教えてください。

とにかく意識したのは、世界中の任天堂ファンに愛されてきた建物をいかに保存しつつ、より当時の姿を再現するかということでした。
タイルや窓枠など活かせるものはそのまま活用することはもちろんのこと、間取りもそのままにして、創業ファミリーの自宅だった住居棟は本当にご家族で暮らしていた当時の状態を残しました。また、工事で古い壁紙を剥がした時に裏紙として使われていた昔の帳簿が出てきたら、その帳簿を使ってアートワークのピースを作ったり、お客さまの意識の及ばないところまで再現して(笑)。「実はこれは……」というストーリーがあるものをホテルの中にたくさん散りばめました。
他にも、創業ファミリーがプロデュースするライブラリーには、過去の任天堂のものが置いてあるだけではなく、創業当初からの思想を実感できるような様々なジャンルの本が選書されています。任天堂の歴史はもちろん、創業ファミリーの持つ想いや思想、価値観にも触れられる場所で、ファンの方もそうでない方も楽しんでもらえる空間になっています。

ライブラリーには、任天堂の「独創」と「遊び心」という思想に触れられる本が並んでいる。

─丸福樓の世界観を作り上げるためにこだわりを持って様々なものやひとを選ばれているように感じます。大切にしたポイントはなんでしょうか?

丸福樓に宿泊してこうだったらうれしい、楽しいということを想像することを大切にしています。
レストランのプロデュースは料理家の細川亜衣さんにお願いしました。細川さんはジャンルにとらわれずにその時の旬の食材を一番おいしく食べたいという欲求がとても強く、調味料なども既存のものを使用せずにご自身で作ったりされていて、丁寧な暮らしを追求されている方なんです。
食は豊かな時間を過ごしてもらう大きな要素だと思います。「今の京都ではこの食材がおいしくて、丁寧に仕込んだらこんなお料理になったんですよ」と、大切な友人が京都に遊びに来た際に自宅に招き入れるようにお客様をお迎えしたいと思い、細川さんにお願いしました。

丸福樓とアスレティアに通じる心と身体に寄り添う体験

─丸福樓ではアメニティにアスレティアを採用いただいてます。どのようなきっかけだったのでしょうか?

私自身、ホテルステイの際にはアメニティを気にする方だったので、開業前にまだアメニティが決定していないと聞き、「私が探すので1ヶ月ください!」とチームに伝えました(笑)。丸福樓のような18室のみの特別な空間ならこだわって選びたいと思って。
大切にしたいポイントは3つありました。1つはメイドインジャパンのブランド、2つめは丸福樓の雰囲気に合うもの、最後にユニセックスで使えるものです。そこでアスレティアが目に止まって、すぐに連絡をして。お話を伺って商品を試すうちにグリーンな香りは丸福樓にマッチしているし、年齢・性別・国籍を問わずにみんなが落ち着く香りだと思いました。カラーデザインもグリーンなので「丸福樓と同じだ」と思ったりもして(笑)。具体的にお話を進めたのは最初からアスレティアだけでした。なので、アスレティアに反応していただけるお客さまがいらっしゃると個人的にもめちゃくちゃうれしいです。

─お客様からどのような反応をいただくことがありますか?

丸福樓で初めてアスレティアを使ったお客さまが、「すごく気に入ったからフルサイズ買っちゃいました!」とインスタグラムにあげてくださって「アスレティアにしてよかった!」と思いました。
ホテルで働いているスタッフにもトライアルしてもらいましたが、みんなオイルにめちゃくちゃ感動していました(笑)。サンプルなので1日ほど使っただけですが、それでも製品の魅力を感じられるところがすごくよいなと。アメニティには美容液も入れていて、スキンケアをゆっくり丁寧にする時間も、お客さまにとってよい過ごし方のひとつになったらうれしいです。

─丸福樓とアスレティアには共通点を感じさせるエピソードでした。松尾さんの思う共通点はありますか?

アスレティアは動と静のバランスを整えることを大切にされていますが、丸福樓も探究心を持ってワクワクしながら過ごす方もいらっしゃれば、ゆったりくつろいで過ごす方もいらっしゃいます。自分の心地よいように自由に豊かな時間を過ごしていただきたいという私たちの気持ちと、アスレティアの心身の状態に寄り添うことを大切にする姿勢から受ける印象に通じるものを感じます。

安藤忠雄氏が設計監修した新築棟のレジデンシャルスイートルーム

─丸福樓で過ごせる自分らしい「心地よさ」を見つけて楽しむ時間は、日常生活にも通じるものがあるのではないかと思います。最後に、読者に向けて丸福樓が実践する豊かな日常を過ごせるコツを教えてください。

丸福樓が大事にしている選択肢を自分で持つ自由は、実はとても贅沢なことだと思っています。 「今日これしなきゃ……」と思うのではなくて、「今日何しようかな」と思えることは人生の幸福度につながっているのではないでしょうか。そして、それは日常にもつながっているのかなと思います。

  • Text/Shihoko Nakao
  • Interview/Riku(REING)
  • Photo/Taketo Imai
  • Edit/Riku(REING)

プロフィール

丸福樓

2022年4月1日開業。かるた・花札の製造販売や、任天堂創業者・山内家の住居として利用された任天堂の旧本社社屋が安藤忠雄氏設計・監修のもと、生まれ変わった全18室のホテル。好きな時に好きなものを好きなだけ、オールインクルーシブのプランを中心に、自由にゆっくりと滞在できるおもてなしを届けている。

松尾玲奈

株式会社Plan・Do・See
ウェディングプランナーやアメリカでの新店舗開業を経て、現在は広報やマーケティングを担当。丸福樓の開業に携わる際、特別なホテルに相応しいアメニティを選びたいと自ら手を挙げ、athletiaに出会いセレクトを担当した。

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